XXXV. Expect 関数

導入

この拡張モジュールは、PTY を経由したプロセス同士の対話機能を提供します。 ファイルシステム関数 expect:// ラッパ を利用すれば、シンプルでより直感的なインターフェースが利用できるでしょう。

要件

このモジュールは expect ライブラリの 関数を使用します。libexpect バージョン >= 5.43.0 が必要です。

インストール手順

この PECL 拡張 モジュールは PHP にバンドルされていません。 この PECL 拡張モジュールをインストールする方法は、 マニュアルの PECL 拡張モジュールのインストール という章にあります。 新規リリース・ダウンロード・ソースファイル・管理者情報・CHANGELOG といった関連する情報については、次の場所にあります。 http://pecl.php.net/package/expect .

PHP 4 の場合、この PECL 拡張モジュール のソースは、PHP のソースの ext/ ディレクトリ、または 上の PECL リンクで入手可能です。 これらの関数を使用するには、 --with-expect[=DIR] オプションを使用して expect サポートつきで PHP をコンパイルする必要があります。

Windows ユーザは、これらの関数を使用するためには php.ini の中で php_expect.dll を有効にします。 PHP 4 の場合、この DLL は PHP の Windows ダウンロードバイナリの extensions/ ディレクトリ にあります。 この PECL 拡張モジュール の DLL PHP ダウンロード ページ または http://snaps.php.net/ からダウンロードできます。

実行時設定

php.ini の設定により動作が変化します。

expect 拡張モジュールを設定するために、 設定ファイル php.ini に 設定項目が用意されています。

表 1. Expect 設定オプション

名前 デフォルト 変更可能 変更履歴
expect.timeout "10" PHP_INI_ALL  
expect.loguser "1" PHP_INI_ALL  
expect.logfile "" PHP_INI_ALL  
PHP_INI_* 定数の詳細および定義については 付録G を参照してください。

以下に設定ディレクティブに関する 簡単な説明を示します。

expect.timeout integer

データを待ち受ける際のタイムアウト時間です。 expect_expectl() 関数で使用されます。

"-1" を指定すると、タイムアウトを発生させないようにします。

注意: "0" を指定すると、 expect_expectl() 関数は 結果を直ちに返します。

expect.loguser boolean

expect が、子プロセスの出力を標準出力に送るかどうかを指定します。 典型的な対話型プログラムは入力した内容を表示するので、これを使用すれば 対話の両方の側を表示することができます。

expect.logfile string

子プロセスの出力内容が書き込まれるファイルの名前。もしファイルが 存在しない場合は新しく作成されます。

注意: この設置が空欄でなかった場合、 expect.loguser の設定内容に かかわらず出力が書き込まれます。

リソース型

リソース型は定義されていません。

定義済み定数

以下の定数が定義されています。 この関数の拡張モジュールが PHP 組み込みでコンパイルされているか、 実行時に動的にロードされている場合のみ使用可能です。

EXP_GLOB ( integer )

パターンが、glob 形式の文字列パターンであることを示します。

EXP_EXACT ( integer )

パターンが、単なる文字列であることを示します。

EXP_REGEXP ( integer )

パターンが、正規表現形式の文字列パターンであることを示します。

EXP_EOF ( integer )

EOF に到達した際に expect_expectl() が返す値です。

EXP_TIMEOUT ( integer )

expect.timeout で指定した秒数を こえた際に expect_expectl() が返す値です。

EXP_FULLBUFFER ( integer )

一致するパターンがなかった際に expect_expectl() が返す値です。

この例ではリモートホストに SSH 経由で接続し、接続先の稼働時間を表示します。

例 1. Expect の使用例

<?php
ini_set
( "expect.loguser" , "Off" );

$stream = fopen ( "expect://ssh root@remotehost uptime" , "r" );

$cases = array (
  array (
0 => "password:" , 1 => PASSWORD )
);

switch (
expect_expectl ( $stream , $cases ))
{
case
PASSWORD :
  
fwrite ( $stream , "password\n" );
  break;

default:
  die (
"リモートホストへの接続時にエラーが発生しました!\n" );
}

while (
$line = fgets ( $stream )) {
  print
$line ;
}
fclose ( $stream );
?>
目次
expect_expectl  -- プロセスの出力がパターンに一致する・指定した時間が経過する・ あるいは EOF に達するのいずれかにあてはまるまで待ち続ける
expect_popen  -- Bourne シェル経由でコマンドを実行し、プロセスへの PTY ストリームをオープンする